【2005年の西本智実 】
去年(2004年)は本当に慌しく、「1年があっという間に過ぎ」ました。けれども逆に、「まだ1年経ってないのか」というような思いもあります。
ロシアと日本との往復も多かったですし、劇場の本番も増えました。最初は三つくらいのレパートリーを担当したのですが、今年は本格的に
ローテーションに組み込まれるのでもっと増えていく予定です。
モスクワからペテルブルクに住まいを移し、ペテルでは劇場の中に住んでいます。比較的長い時間劇場の中で過ごし、モスクワに仕事に行く、
またペテルに戻る、という生活です。そういう形で、拠点を持ちながら移動する、という仕方を体が覚えてきました。
で、やはり今年からは、劇場の指揮者として同じ演目が何回目か、ということが増えてきます。そのあたりはしっかりとしたレパートリー作りというのをしていきたい。
自分では何回か(本番を)振っていたものをレパートリーだと思い込みがちでした。しかし劇場では毎日毎回、出演するメンバーや歌い手さんが代わるわけです。
自分ではわかっているつもりですけれども、本当に毎日は振っていたわけではないですよね、中三日とか中四日で違う演目を振っていますが、
まだ慣れてはいないところがある。
劇場の指揮者とは、それにものすごく慣れている人ですから(笑)。
むしろヘンに慣れてしまって「作らない」ところもあると思いますし、その劇場の持つパターンで固まっているわけです。
外から来た指揮者はそこを憶えなければいけないという部分もありますし、「それは慣習であって、この演出では必要ないじゃない」、
と思うところもあるそこはどんどん直していきたいです。
これらのことをバランスを保ちながらやっていければ非常に恵まれた環境で仕事をさせていただいていると思っています。
最初の1回の本番だけではなかなかやり取りできないことも少しずつやっていけることが増えていけばいいな、と思います。
日本の本番は、去年よりすこし少ないかな。
ただ、訪ねる地方も増えています。内容として頻繁に劇場で振っているから、そういう向こうで培ったものをシンフォニーを振るにしても生かせればいいな、
と考えています。
あとは、音楽祭の予定があります。
ドブローニク、モスクワやペテルブルク‥。
8月8日にプラハ・プロムス音楽祭に行きます。
ほかにチャイコフスキー音楽祭やプーシキン音楽祭。
ペテルブルクは自分が居るから音楽祭に行った気はしませんが、9月のプーシキン音楽祭にはけっこうたくさんの企画にかかわっていくと思います。
劇場でも振っていますし、フィルハーモニアでシンフォニーも振る。できたら、私が、日本人の若い優秀な人を招けないでしょうか、
ということは言っています。
今年も、さまざまな演奏会場でお会いできればいいなと思いますしがんばっていきますので。
西本智実